クロネコ彼氏
「あの、用事があって」
「ちよっと、来て」
ぐい、と結構強く腕を引っ張られて一瞬、よろめく。
だけどすぐ体制を戻して黒川くんについていく。
初めは速く進んでたけど、わたしが小走りしてるのに気付いて速さを緩めてくれる。
そんな小さなことに、胸がキュンとした。
というか、ドキドキ?
……そんなことを考えていると、急に止まった黒川くんの背中にぶつかってしまった。
「わぷっ!
……く、黒川くん?」
そんな色気のない声に恥ずかしくなりながらも、急に止まった黒川くんを不思議に思う。
どうしたんだろう?