クロネコ彼氏

そんな感じでびっくりするわたしに、黒川くんはまたため息をついた。




「嬉しい、けど……

俺のこと良く思ってない奴に、変なことされるかもしれないから」



伊織が俺の彼女なのは皆知ってるし、と付け足された言葉の意味がよく分からない。


黒川くんのことをよく思ってない奴、って……？

黒川くんの言葉に“？”を浮かべるわたしを見て、黒川くんは苦笑いして。


その様子を見て、やっと意味が分かった。




「黒川くんをひがんでる人達のこと？」



黒川くんはモテる。

それは男子からしたら気にくわないはずで、


前に黒川くんをひがんでる人はたくさんいる、って和から聞いたことがある。




「うん、何されるかわかんないし

危険だから、来ないで」


「……うん」



心配してくれるのが嬉しくて、さっきと違って、今度はちゃんと心から頷いた。