クロネコ彼氏



「んん?

でもソレ断ってない?」



付き合ってるんだよね?


そう言って軽くパニックになる和。



そんな和に慌てて口を開く。




「す、『好きにさせるから』って言われて……その」


「断りきれなかったって訳か」


「……ハイ」



和がため息を吐く。

そのため息にビクッとしてしまう。


あ、呆れられた?



でも、あんな目で見つめられたら――。


なんて、心の中で言い訳していたら。




「伊織って押しに弱いんだねぇ」


「え?」


「黒川、その発言的に積極的そうだし」



そこで切る和。

え?と頭に疑問符が浮かぶ。


結局、何が言いたいの?




「面白そうだねっ」


「……」



……、何がですか?


不思議がると、どうしてかいきなりニコッと笑う和。




「伊織に初カレでその人はSとか、

超面白い展開っ!」


「……は、はぁ」



私、真剣に悩んでるのに『面白そうだね』って。



親友にする人

……間違えたのかも。



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