クロネコ彼氏



「……っきゃ!」



――ドン!


誰かとぶつかって、持っていたストラップが、カシャリと落ちた。




「す、すいませ――」



すぐにストラップを拾って、謝ろうとして。



……あ。


その人物が誰かわかって、言葉が途中で途切れた。




「中川じゃん」


「柳瀬くんっ!?」



びっくりして、思ったよりも大きな声が出てしまった。



……びっくり。


偶然会えたこともだけど、それだけじゃなくて。



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