通りすがりのイケメンさん
本棚には難しそうな本がずらり。

新品のような皺ひとつないベット。

真ん中に置いてある

小さなテーブルの上には参考書など、

勉強道具が崩れ落ちそうなほど

乗っかっていた。


「適当に座ってていいぞ」

「・・・・・・あ、うん」

あまりに綺麗な部屋に愕然としていて

返事が遅れた。

適当に絨毯の上に座る。

最初に思ったのが、床が見える。

あたしの部屋、

服とかで床が見えない状態だから。

男の部屋っていうと、

めちゃくちゃ散らかってて

手のつけようがないほど

ものが散乱してそうなイメージだったから。

手持ち無沙汰になったあたしは

神崎優輔に話しかける。


「・・・あの、」


台所に立って何か作っているよう。

あたしの小さな声では

彼の耳に届かなかったみたいだ。

「あの!!!」
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