通りすがりのイケメンさん
「・・・え・・・?」


びっくりして顔をあげると、

神崎優輔は焦ったように。


「あ、いや・・・・・・

・・・冗談だ。

・・・こんな人通りの少ないところで

女子高生が・・・危ないだろう」

「・・・ごめん」

「謝るなら帰れ」

「・・・やだ」

「はぁ・・・」


神崎優輔は疲れたようにため息を吐いた。


「・・・じゃあ、なんで帰りたくないんだ」

「っ・・・」


言葉につまる。


「・・・言いたくないならいい」

「え・・・?」

「俺は人の心に土足で踏み込んだりしない」

「・・・そっか」


優しい人。

こんな人、見たことないや。


「・・・で、どうする」

「・・・え」

「家に帰るか、それともここにずっといるのか?」

「・・・帰る」

「そうか、じゃぁ帰「あなたの家に」


思い切って言ってみた。

神崎優輔は驚いて声も出ない様子。
< 6 / 45 >

この作品をシェア

pagetop