通りすがりのイケメンさん
現在23:07。


渋々家に電話をかける。


プルルルル・・・プルルルル・・・ブチッ


「もしもし美咲っ??!!!」

「あたし今日友達んち泊まるから」


冷たく低い無機質な声で言い放つ。

あんたの声なんか聞きたくない。


「え、ちょっと待」ピッ

ぱたん、とケータイを閉じると。



「連絡した。行こ」


あたしは立ち上がってお尻をはたき、

神崎優輔に言う。


「・・・よし」


神崎優輔は原チャリに跨ると、


「・・・乗れ」


あたしに後ろに乗るよう促す。

何も言わずに跨る。


「しっかり掴まってろ」

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