通りすがりのイケメンさん
そういうと、


グイッ―――


あたしの手を取り、自分の腰に回す。


「ぜってー離すんじゃねーぞ。

・・・いくぞ―――」


そう言い捨て、発進させた。


「え―――キャッ」

「だからしっかり掴まってろっつっただろーが」

「・・・こんなことしたことないもん・・・」

「あぁ?!聞こえねー!!!

もっとでかい声でしゃべれ!!!」

「~~っ・・・こんなことしたことないんだから、

しっかり掴まれるわけないでしょ??!!!」


恥ずかしいのを堪えて叫ぶ。


「こんなことってなんだよ?!」


そんな恥ずかしいこと言わせないでよ・・・!!!


「~~~っ」


「あぁ?!なんだ?!!」

「っ・・・だ、抱きつくとか、そういうことよ!ばか!!!」

「・・・その言葉・・・覚えてろよ」

「・・・?」


何がよ。

ばかって言ったこと?

忘れるわけないじゃない。
< 9 / 45 >

この作品をシェア

pagetop