恋の確率
「構わない。恋が男でも女でも恋は恋だもの」



私はそう言って、携帯で恋に電話をかけた。




「もしもし?」



電話越しの恋の声はいつもより低く聞こえる。



「恋?まだ、公園に居るの?」



「…小春…居るけど」



「じゃぁ、今から恋のとこに行くから待ってて」



「小春…俺は待たないよ」



恋の口調は、もう男の口調だった。



それでも、私は全然嫌じゃない。



「恋は…恋弥は絶対私を待つよ」



私はそう言って、電話を切り公園に向かった。



恋に聞きたいことが、言いたいことがたくさんあるんだ。



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