*きみに夢中*
――――
カランカラン♪
『いらっしゃいませ..あ....』
昨日、優さんと一緒に話してた人が私と目が合い、ちょっと気まずそうな顔をした。
「こっ、こんにちは」
そんな顔につられて、さっきまでルンルン気分だった私も、なんとなく気まずくなってしまった。
店内をキョロキョロ見回すが、優さんの姿はない。
今日、お休みかなぁ...。
優さんは、木曜日と土曜日がお休みの日。
木曜日は、このお店が定休日なのだ。
でも、今日は火曜日だし。
休憩でもしてるのかなぁ?
ちょっとヘコみながら、適当に席へ座る。
「優さんいない...」
拗ねた口調で、沙恵に言う。
「今日は休みなんじゃないの?」
そんな私に、ダルそうな顔で答える。
「違うもん!!今日火曜日だからお休みなワケないもん!!
...あっ!もしかして風邪でお休みとか!?嘘ぉ...。」
勝手にな妄想を繰り広げる私。
違うよね!?
違う違う!!
うん!違う!
休憩してるだけだよ!
きっと!
もしかしたら、私の大好きなココアを運んで来てくれるかも!
「私ココア飲むーッ♪」
いきなり、テンションが下がったり上がったりする私に、ちょっと驚きながらもメニューを見る沙恵。
いつもココに来ると私は、必ずココアを注文する。