I want murder you.
連絡
「んっ…んん…」
薄暗い部屋に、甘い匂い、甘い声。
甘い甘い空気に不似合いな刺激。
好んでしている事なのに、満たされない。
長い指に翻弄され、女は果てた。
「ブーッ、ブーッ」
僕の携帯が震えた。
煙草を持ちかえ、携帯を手に取る。SNS系サイトの友達申請の通知だった。
相手は夕方出会った彼女からだった。
「まさしぃ?だれぇ?女ぁ??」
隣の女が覗きこむ。
「干渉してくんなよ。捨てられたいのか?」
相手を見る事もなく淡々と言い放つ。冷たい?そうかもしれない。
だけど、オモチャが自分に意見してきたらキモいだろ?僕にとって女なんてただの腰を振るオモチャに過ぎないんだよ。
女はふてくされて、背中を向けて寝てしまった。
まさしは構う事なく携帯に向き合っていた。
友達申請を許可した僕は、彼女にメッセージを送った。
内容はごく普通な申請ありがとうといったものだ。
じゅんやの友達だから、手は出さないでおこう。そういったごく常識的な考えが、この時はあった。
しかし、しばらくやり取りをするうちに興味が出てきた。
好みのタイプだとは思っていたが、やり取りも面白くて可愛らしい。少し、食べてみたいと感じた。
そうなれば、行動的な僕。まずは携帯番号を聞く事にした。
案外あっさりと番号を聞き出す事ができ、すぐに電話をかけた。
「夕方ぶりですね!」
携帯から聞こえてくる彼女の声に口元が緩む。
彼女はどんな質問にも素直に答えてくれるから、色々な話が聞けた。
彼女の話を聞いて気付いた事がある。
彼女はきっと、僕が思っているほど純粋ではない。小悪魔だ。
それなりに色々と経験もしているだろう。
遊んでた時代もあると思う。
これは僕の勘でしかなかったが、きわどい質問や、少しからかうような話は上手くかわす。
意味深なかわし方をするから、ミステリアスで、注意を引く。
慣れた女がする事だ。
所詮、隣で転がっている女と同じ生き物かと、少し興味が薄らぐのを感じた。