小さな空と6つの罪【短篇】
数ヶ月前…

深夜に寝付けずに、夜の風にあたりに外に出た
深夜のドライブは心地よく体の熱を冷ましてくれる

曇りない空にぽっかり浮かぶ月がやけに綺麗に見えたので、人通りの少ない細い道路の窪みに車を停めた

ぼんやりと煙草をくゆらせながら、月を見て当たる夜風は3月にしては程良く感じた

そんな夜風に乗って聞こえる声がある

―離して下さい…


俺の住む街は、基本的に治安があまり良くはない

揉め事を目にするのは珍しくないが、声のする方を見ると…
若い女が酔っ払いに腕を掴まれている

思えば…
この日の深夜の外出が、一つ目の『罪』だったのかも知れない

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