小さな空と6つの罪【短篇】

―貴方の言う、貴方の事実を証明出来るものは正直ありません
ただ貴方が怪我をさせたという事実は動きません

確かにそうだ
それが事実であり『罪』

―貴方は初犯扱いです
後者の事実を認めても、まず間違いなく執行猶予が付きます

このまま行くと、恐らく裁判でのやりとりになります
裁判で長引いてしまうよりは、早く出れると思います

映画で見たな
自分はやってないと言えるのだろうか?

俺の犯した罪…
それは傷害?違うのだろう

やってない…何を?
俺の罪はそこに行き着く『五つの罪』だ

気付けば鍵を持った留置監が廊下を歩く音が聞こえると、
煙草の時間に喜び、散歩前の犬のように尻尾を振っている自分

嫌気がさすが、これが俺か…

さらに延長された二十日間の拘留期間を終え、

『罪』を認めた…


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