写真立ての記憶
俺は桃井を探した。

「はぁはぁ、どこだ!どこにいるんだ?」

「・・・・そうだ、もしかしたら。」


俺は、アイツと一緒に笑いあって過ごした、

あの場所へと走り出した。



「桃井・・・やっぱりここにいたか。」

「一之瀬君。どーしてここに?」

「お前ならここにいるかなって。」


久しぶりに交わした言葉。


「・・・ダメだよ、一緒にいるところ

他の人に見られたらまた迷惑かけちゃう。」


桃井は泣きながら答えた。


「俺、桃井がいなとダメなんだ。

お前と一緒に笑いあっていたいんだ。

頼む。こんな俺と、もう一度

友達になってくれ。」


「もう、我慢しなくていいの?

もう一人で苦しまなくていいの?」

「ああ、ごめんな。苦しませて。」
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