ありがちな青春物語
はじまりのセイシュン
ジリリリリッ
―――――朝。
目覚まし時計が指定された時刻に鳴る。
「……う〜ん」
手探りで目覚まし時計を止めようとしたがなかなか見つからない。
布団から跳ね起き、目覚まし時計を止めて窓のカーテンを開けた。
8月のとがった日差しが寝呆けた頭を起こした。
まだ6時だというのにジットリと暑い。
窓から離れ、部活着に着替えて2階の自分の部屋から1階のリビングへ降りていった。
ガチャ
ドアを開ける。
「おはよう。朝ご飯できてるわよ。」
お母さんはお弁当のオカズを作りながら言った。
「いただきまーすっ」
朝ご飯は大好物の豚のしょうが焼き。
このぐらいスタミナがある料理でないと朝の8時半から夕方の6時までの部活に間に合わない。
もちろん、お昼休みはあるが、朝をきちんと食べないと動けなくなってしまう。
「おいしーっ。やっぱ朝はこれじゃないとね♪」
身体にエネルギーをしっかり入れると、エナメルバックに陸上競技専用の運動靴を入れて、玄関に向かった。
「いってきまーす。」