ありがちな青春物語
外は日差しが強く、暑い。
こんな日に外で高跳びをするなんて思うとうんざりするが、夏の終わりの大会で3年生は引退になるので休まないと決めている。
通っている中学校は家から遠くもなく、近くもない。
通学路は住宅街を抜けて、商店街に入る。
商店街をしばらく歩くと学校に着く。
住宅街を歩いてる時、大体三毛猫に出会う。
またいた。
ミャー
近寄ってくるくせに触らせない。
今日こそは触らせてくれるかも……
「おいで、おいで。」
しゃがんで手を伸ばした。
三毛猫は近寄ってくる。あと少しで触れる。
「ほら、おいで。」
ミャー
逃げられた。
やっぱり、とは思いつつも少しは期待していたのでガッカリ。
そんなふうに通学していると、後ろから親しみのある声が聞こえた。
「ゆーみかぁっ」
振り向くと親友の南 聡美(みなみ さとみ)が走ってきた。
「おはようっ。聡美。」
「ハァ、おはよ〜…。あつーい。ちょっと走っただけなのにっ。見て!この汗!」
聡美は部活着をバタバタさせる。額には汗が流れている。
「これからまた走るんだよね…やだなぁ…」
聡美がつぶやく。