ありがちな青春物語
「まーまー、あとちょっとで引退だからさ。」
「確かにねー。もう受験だね。3年間って結構あっというまだったよね。」
「聡美はもう行きたい高校決まったの?」
「うんっ一応、都立だよ。」
「そっか…あたし、高校どうしよっかなー」
将来やりたい仕事とかも決まってないので、進路についてはすごく悩んだ。
学校説明会なども行ったが、しっくりくる高校は無かった。
「由美香はさ、別に成績悪くないんだし。どこでも行けるよ。」
「そんなことないよっまず行きたいと思った高校が無いんだよ?異常でしょ。」
「まーね…。
あたしは都立をオススメするけどなー」
「なんで?」
「だって逆に私立にしてごらんよ。規則は厳しいし、スカート長いし…」
「そこかよ…」
「だぁ〜ってぇ〜」
聡美はボブの髪の毛を指でいじった。
都立か…
確かに規則がそんなに厳しくないのは良いかもしれない。
聡美が話を変えてきた。
「あ、聞いて聞いて!池口先輩のメアドゲットしちゃった♪」
池口先輩は同じ中学校の野球部の元エースだった人で今は高校1年生。
面食いの聡美が部活見学会で一目惚れさせた人だ。