ありがちな青春物語
「よかったじゃん!
でもどうやって聞いたの?」
積極的な聡美だが、今は同じ中学校でもないのに聞き出すのはかなり難しいと思う。
聡美が嬉しそうに答えた。
「この前、マックに行ったら先輩がバイトしてたんだ。
バイトが終わるまで待ち伏せしててね♪」
「うそっ
待ち伏せなんてしたのっ?」
「そうっ
夜の12時くらいだったかな。
さすがに家に帰ったら親に怒られたけどね。」
「そりゃそうだろうね。」
「でも頑張って聞きに行ったら普通に教えてくれちゃって。超幸せだった!」
聡美ははしゃぎながら歩いてる。
歩いてるというよりスキップに近い。
もう商店街の半分だ。
「で、由美香はどうなの?
好きな人できた?」
「好きな人?
できないよ。そんなの。」
「なーんだ、つまんないの。」
好きな人なんてできたことない。
今まで近くにいた男子に恋愛感情とかも持ったことない。
好きになるってどういうこと?
別に知りたいとは思わないけどね。
興味無いし…
「あっ、そういえばね!
薫(かおり)と高橋が付き合ったってっ」