音が届ける

〈次の日〉


「愛華ちゃん、返事考えてくれた?」


そう聞かれた私は、一度深呼吸をして


「ごめんなさい。」


といった。


「嫌いなわけじゃないんです。

 でも私には・・・・

 私には好きな人がいるんです。」


すると森本先輩は悲しそうな眼をして


「そっか。」


とつぶやいた。


「初恋だったんだ。」


「へ?」


初恋・・・?


なにが・・・?


「愛華ちゃんが。

 でさ~どうしても手に入れたくて、

 三島にいろいろ教えてもらったり、

 俺バカだよな。」

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