KANKERI
その後、荒井は病院へ運ばれ、ヒロシは傷害で逮捕された。
 後藤とその仲間たちは、荒井の仲間によって、始末された。

 意識の戻らない荒井の看病を荒井の彼女は自分のせいだと、毎日していたという。
 荒井は、愛する人を守るために死んだ。大切な人を守るため…
 けして、その場から逃げなかった。
 だから、缶蹴りゲームに勝って、命を取り戻す。
 彼女を幸せにするため。だから、勝つ。
 荒井の頭やみが止まった。
 さっき、頭を痛くした清水のようだった。
 荒井は、ポケットから携帯を取り出した。新着のメールが来ていたが、どうせ文字化けしているだろうと、待ち受け画面の彼女と撮った写真をずっと見ていた。
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