KANKERI
「電話ですか?」
「うん。非通知だけど…」
画面には、『非通知設定』と表示されている。
「圏外じゃないんですか?」
「いや、今も圏外……」
画面には、みんなと同じ『圏外』の表示がされていた。しかし、確かに着信が来ている。
アヤカは、ためらっていた。
「で、出てみよう。」
今まで、一人で座っていた清水が、立ち上がりアヤカに歩み寄った。
アヤカはうなずき、おそるおそる受話器のボタンを2回押した。
スピーカー音に設定された、携帯から男の声がかすかに聞こえる。
『それ…次……ニュース……』
途切れ途切れの音に、上手く聞き取れない。
「なんて言ってるの?」
アヤカには聞き取ることが出来なかったが、シホは、単語を一つ聞き取っていた。
「……ニュースって聞こえました。」
よく聞けば、ラジオのような音にも聞こえる。テレビの音か?アナウンサーの話し方と言われれば、そう感じる。
「おい!なんなんだよここは?!」
荒井は、アヤカの手から携帯を奪い、電話に向かい叫んだ。でも、何も聞こえなかった。
「ちぇっ、なんだよ。」
荒井は、アヤカに携帯を返した。そのときだった。今度は、鮮明に音が聞こえてきた。それは、ニュースの一報を伝えるものだった。
『今日午後4時20分ごろ、札幌市南区の交差点で交通事故があり、高校1年
生の戸田アヤカさん(16歳)がトラックにはねられ死亡しました。事故は、
戸田さんが下校途中に交差点の横断歩道を渡っていたところ、右折したトラ
ックが戸田さんをはね、戸田さんは頭を強く打ってまもなく死亡しました。
警察はトラックの運転手で会社員の男(22歳)を業務上過失傷害の疑いで
現行犯逮捕し、業務上過失致死に容疑を切り替えて取り調べを……』
音はプツンと途切れた。
「戸田アヤカさんって……」
シホがアヤカの顔をみて言った。
「うん。非通知だけど…」
画面には、『非通知設定』と表示されている。
「圏外じゃないんですか?」
「いや、今も圏外……」
画面には、みんなと同じ『圏外』の表示がされていた。しかし、確かに着信が来ている。
アヤカは、ためらっていた。
「で、出てみよう。」
今まで、一人で座っていた清水が、立ち上がりアヤカに歩み寄った。
アヤカはうなずき、おそるおそる受話器のボタンを2回押した。
スピーカー音に設定された、携帯から男の声がかすかに聞こえる。
『それ…次……ニュース……』
途切れ途切れの音に、上手く聞き取れない。
「なんて言ってるの?」
アヤカには聞き取ることが出来なかったが、シホは、単語を一つ聞き取っていた。
「……ニュースって聞こえました。」
よく聞けば、ラジオのような音にも聞こえる。テレビの音か?アナウンサーの話し方と言われれば、そう感じる。
「おい!なんなんだよここは?!」
荒井は、アヤカの手から携帯を奪い、電話に向かい叫んだ。でも、何も聞こえなかった。
「ちぇっ、なんだよ。」
荒井は、アヤカに携帯を返した。そのときだった。今度は、鮮明に音が聞こえてきた。それは、ニュースの一報を伝えるものだった。
『今日午後4時20分ごろ、札幌市南区の交差点で交通事故があり、高校1年
生の戸田アヤカさん(16歳)がトラックにはねられ死亡しました。事故は、
戸田さんが下校途中に交差点の横断歩道を渡っていたところ、右折したトラ
ックが戸田さんをはね、戸田さんは頭を強く打ってまもなく死亡しました。
警察はトラックの運転手で会社員の男(22歳)を業務上過失傷害の疑いで
現行犯逮捕し、業務上過失致死に容疑を切り替えて取り調べを……』
音はプツンと途切れた。
「戸田アヤカさんって……」
シホがアヤカの顔をみて言った。