KANKERI
集められた五名には共通点があった。
 しかもそれは、清水ナオヤの父親が、かつて授業をした教え子達だった。。
 でも、このゲームを作ったのは、清水ナオヤの父ではないらしい。
 父もまた、誰かに命令を受けている。
 いったい誰なのか。そして、人の命を生き返らせることのできる何か大きな組織が動いているのか…
 アヤカは腕時計を確認した。
「動いてる…」
 アヤカの言葉に、清水も自分の腕時計を確認した。
「俺のもだ。制限時間は、六十分後だから、午後四時二十分だ。」
「それ、私が事故にあった時間と同じ…」
 初めに聞いたニュースの時間と同じだった。
「偶然かな?」
「わからない。でも、清水くんのお父さんは、どういう風に言ったらいいかわからないけど… 操れるんだと思う。この世界を、」
「操れる?」
「うん。だって、読めなかったメールが読めるようになったり、制限時間決めた途端に、時計が動くようになったり…」
「偶然にしては…タイミングよすぎるよな。」
「もしかしたら、今までのことも全部、こうなるように最初から決められていたのかもしれない。高木さんが携帯の電源を切ってリタイアしたのも、沖野さんが無理に飛び出したのも、荒井くんが、急に追加されたルールで消えてしまったのも、私たち二人が最後に残ったのも。」
 だまってただ聞いていた清水が口を開いた。
「俺達が負けることも?」
 アヤカは小さく頷いた。
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