忘れないで。
いつも同じ事の繰り返しだった。
和斗は私を見ていない。
『私の事好き?』
自分の部屋にその声だけが
嫌に響く……
こんな事聞きたくないよ。
前はこんな言葉がなくても
和斗の想いを感じてた。
「……美鈴?」
私の名前を呼ぶ
いつもより声音の低い和斗の声
[早坂 美鈴]
貴方がよぶこんな名前を
いつから好きになって
いつから嫌いになったのか
そんなのもう忘れた。
『質問に答えて?』
「いきなりなんだよ…」
知ってるよ……
こんな質問されるの嫌いなの
今までしても流されてたのも
でももう聞かなきゃ
分からないよ―――