忘れないで。




いつだったかとても大きな喧嘩をして咄嗟に別れると言う言葉が出てしまった。



私は涙が枯れるんじゃないかって程
涙を流した。



「別れたくないよ」


晃から漏れたその答えに安心した。





なのに…私は意地っ張りだから
それでも意見を通してた。



そんな晃は私の家に来て
別れたくないって言いに来たね。



外はもう暗くて
晃の声が震えてるのが伝わってきて



その時
晃が初めて泣いてるのを感じた。




愛しくて愛しくて
思わず触れた晃の左手を
私は強く握った。




自分の胸が痛くなって
後悔したのを私は忘れない……。







ねぇ晃……
どこまでが嘘で本当かなんて
何回聞いても聞き足りない。


貴方は全部が本気で本当だって
言ってくれたのにね……


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