忘れないで。
『晃また背伸びたでしょ?』
「分かる!?3センチ伸びた!」
隣で歩いている晃が
嬉しそうに言った。
付き合ったばっかりの頃
誰よりも子供で身長も低かったはずが
いつの間にか伸びた背丈……
晃……
少しかっこよくなった?
急激に伸び始めた身長は
晃の魅力を高めた。
「俺はきっとめっちゃデカくなるぜ!」
そんな風に手を空に上げる晃の姿を見て
寂しくなった。
それ以上置いてかないで……
変わらないで………
晃だけは――
変わらないで……
いつの間にか私は
晃に夢中になっていたの。