忘れないで。


「運命って信じる?」


ぼーっとしていた私の前に
晃が顔を覗かせた。


『……っぇ?』



「俺ね~信じてるんだぁ」





気が付けば
夕日が沈もうとしていて
私達の影がハッキリとする――







「俺と美鈴は運命なんだよ♪」




何をいきなり言い出すかと思えば……


『何で……?』




運命なんて言葉……
軽く口に出して言うもんじゃない。



私は人間が変わってしまう生き物で
いつかは離れてしまう生き物だと
知っている………。







でも私は晃が馬鹿だって事
すっかり忘れてたよ……


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