忘れないで。


私はただ和斗を好きで
一緒に居たくて傍に居たくて
一生懸命だった。



「そんな事聞くなよ。…いきなりそんな事聞くなんてどうしたんだよ?」



“そんな事”


そうだね…
好きか嫌いかそんな大切な事は
和斗にとって“そんな事”


――ズキッ


胸が痛い。


『別れたいって言ってんじゃん』


悪魔でも冷静さを保ち
貴方との関係を終わらせよう。


「……マジで言ってんの?」

『うん…』


電話の向こうで
和斗の溜め息が聞こえる。



「理由は?好きな奴でもできた?」



――っ!!?



その言葉に私が保っていた冷静は
簡単に消えた。

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