忘れないで。



寒い冬空の下――
何人ものカップルが肩を並べて
歩いている。




「なぁ…決まった?」



いい加減呆れた顔で
私に問いかける晃。



『ん~晃は?どれがいい?』


私が晃に問いかけると
溜め息を漏らした。



「……美鈴の好きにしなよ」




そんなさ

人事みたいに言うけど

私は貴方と選びたいんですよ……






『ペアリングは2人で選ぶ事に意味があるんですよ~?』




なんだか虚しいけれど……
私は晃の顔を見つめて言った。




「……俺が選ぶよりお前の方がいいだろ」



また溜め息を漏らした。



溜め息付きたいのは私だわっ!!




目の前には綺麗な指輪やネックレス達がキラキラとしているのに



晃はまるで人事のよう。


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