忘れないで。
「これは?」
晃が私に問いかけた。
『可愛い~』
私達はジュエリーショップに
足を運んでいた。
「じゃあこれね。今度は無くすなよ?」
『……はい』
私が指輪をしなくなったのは
無くしてしまったため…
ペアの意味がないと言って
晃も指輪を外した。
そしてまた私達は
新しいペアリングを探しに来ていた。
この時気付いていたのかもしれない。
言葉だけの約束も
2人で語り合う未来も
もう……
信じれなくなっていた事に
不安ばかりが重なり
形にしないと見えなくなっていた。
ペアのリングをする事で
繋がっている実感が欲しかった。