忘れないで。
『……っはは』
私は自分の顔を両手で覆い
崩れるように机に伏せた。
「……ちょっ美鈴!?どしたの!?」
その姿をみて芽以が慌てたけど
私にはまるで音をなくしたように
何も聞こえなかった。
今日の空……
私の心境とは正反対。
私がこんなに苦しくても
時は流れ、周りは笑ってる。
こんなに虚しい事はない。
ああ……私重傷だ。
誰か救世主になって
助けてくれないものかな……
なんて考えてる時に
ポンって頭に何か当たった。
それを確かめるために顔を上げた。
「泣くなよ」
頭上から降ってきた声が
私の心に響く。
――救世主……
ふと思ってしまった。