君の隣
でもその舌打ちは、あたしに向けたんじゃなくて自分にだってわかった。
「上司でも先輩でも同僚でも後輩でも、誰でもいい。つい最近なんて言われた?」
「………バカって言われた」
「日本語、理解出来ねぇの?」
「可愛くなったとか、綺麗になったとか…?」
「ん。で?」
「気が利くようになったね〜。…とか」
向き合って話してるけど、尋人はあたしを見ない。
あたしの話しを聞いて、何か考えてる様子だった。