棘は ササクレ
今が一番 良い時
結婚式の輝きは
ひとり お嫁さんにだけ、
ふりそそぐものではない。

ただ、由美の空に
その日 ふりそそいだ
花吹雪は たぶん  
この世界の
全てに ふりそそいで
何もかもを
鮮やかな色で
うめつくして
幸せ色に
染めていったのであろう。

由美には 前科がある。
人を殺めた罪などというものは
いかなる免罪符を買い求めたとしても
ぬぐい去れるものではない。

ただ その罪の意識に苛まれる事から逃げることなく
罪の意識に 一生苛まれる事を享受したときに初めて
歩るきだせる道があるのだ。
< 1 / 18 >

この作品をシェア

pagetop