棘は ササクレ
「ねえ 初美は ここで 待ち合わせして
 別れるようにしてね。」

 由美の思いつきは 突然の割には
 的を得ている。周到でもある。

「初美は あとは 普通に会うだけでいいの。
 会話の内容は 私がPCで見ておくから、
 チェックして 場所 特定するし、
 初美が 危なくなったら 逃げやすいように
 手助けするからね。心配しなくていいよ。」

初美のこわばった表情が
徐々に 打ち解けてきたようだ。
悪巧みへの初挑戦の緊張より
援助交際での 知らないヒトとの
出会いのほうが 余程 辛いのだろう。

「なんか 簡単そう。。。。実はね、私も、
 一人で待ち合わせに行くのは 
 コリゴリ。
 その代わり、必ず 近くにいてね。」

早速のカモ探しは 二人で携帯を 見せ合いながら
研究した。

「うん、このマミオって いいんじゃない?」

探し当てたのは 初美の方だった。
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