僕等の軌跡

携帯の中の私の顔は、頬が林檎みたいに赤くなってた。
中川先生は…普段みないほどに笑ってくれてた。
きっとこの写真は私の一生の宝物になるね。

その後疲れがドッときたみたいに、少ししんどくなって…。

「相原さん?どこ行くんですか?」
「しんどいから…。ここで休憩しようと思って。」

教室を抜け出した後、中川先生が偶然きて2人で椅子に座って話した。

「もう…終わりなんですね。」
「ん?」
「え、や!なんでも!!」

こうして塾に来て先生と会って…。
もう、そんなのなくなっちゃうんだね。

「…あのさ。僕か沢山先生どっちのが好き?」

突然こんな質問をされて驚いた私は笑ってごまかした。
でも少し顔をしかめた先生。

「聞きたい…ですか?」
「やっぱ俺傷つきそーだしやめとく!!ってかさ!!…誕生日おめでとう。」
「え?私誕生日…先生に?」
「あっ、もういい笑。こないだチラッて話したのに!」

こないだって中川先生…。
私だって覚えてないのに、覚えてくれてたの?

「だけどちょっと早くないですか?」
「え…だって相原さんが卒業したら、会えなくなるし。」

そんな寂しい事言わないで…。
まだ終わりにしないで。

「私…高校部続ける!!小中部の先生とはあまり関わりもてないけど…。」

にこって笑ってみせた。
先生も軽く笑ってくれた。

「先生ありがとう…ございます。誕生日、覚えててくれて。」


先生、私とっても嬉しかったんだよ。
少し早い"おめでとう"だったけど、どんなプレゼント貰うより嬉しかった。
先生の言葉だったから…?
分からない。
…ありがとう。

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