僕等の軌跡
「とにかく今から校長に電話して、指示あおぐから。」
「駄目です!!そんなの先生がやばい。やっぱいいです。…大丈夫ですから帰って下さい。」
先生にこれ以上迷惑かけたくない。
中川先生怒られちゃうかもしれない。
そんなの…やだよ。
「何が大丈夫だ?んな薄着で…明日卒業式だろ?そこで待ってな。」
かえす言葉がなかった。
目に涙がたまってきた。
「電話してくるから。見張りなら向こうからしてるし…な?」
私、最低だ。
きっともう嫌われちゃったよ。
先生…どうして戻って来ちゃったの?
2時…先生が原付きをおして戻ってきた。
「相原さん…荷物持って。」
「え…?」
「今から塾行くから。多分もう校長が着いて、待ってくれてる。」
「…先生は!?」
「僕は大丈夫だから。ほら、行こう?」
真っ暗で人通りもほとんどない道。
当然会話なんてない。
塾に着くと校長先生の車がとめてあり、中でパジャマ姿の校長先生が待ってくれてた。
「こんばんは。あの…、本当…。」
「いやいやいいよ。…てか相原さんの携帯ってat?」
「はい。」
「お、偶然俺も!ほれ充電器。もっかい電話してみ?」
「「…あ、お母さん?」」
「「もう!何してるの!?今2時30分よ!?」」
「「ごめ…。鍵なくて…あけて…ほしくて。」」
「「ブチッ。ツーツー。」」
3人顔を見合わせた。
「もう相原さん、いっそ中川家の子になるか!?笑。」
なんて冗談をいう先生。