僕等の軌跡
Ice tea with lemon

中川先生からの連絡や返事は、一切なかった。

3月31日。
この日でこなければ諦めよう…そう決めてた。
31日の夜、私はずっと携帯を握り締めて、ベランダに立って待ってた。
だって先生、手紙をポストにいれて返事をくれるのか、電話か分からなかったから。

深夜1時を過ぎ、もう待っても無駄な事くらい分かってるのに、なかなかその場から1歩も動く事はできなかった。

待ちたかったんだと思う…中川先生を。
冷たい風が吹く。
オリオン座は…見えない。

もう…終わっちゃったの?
ねぇ、先生がいないと星がわからないよ。
いつもみたいに、"あれオリオン座だよ"って教えて下さい。

これは先生なりの返事ですか?
…伝える事すら許されなかったんですか?
中川先生…。

ねぇ中川先生。
本当に本当にこれが最後にするから…もう1つ我が儘言ってもいいですか?
せめて綺麗に終わりたいんです。

きっともう私と先生…今までみたくいれない。
だからきちんとお別れだけはしたいの。

なかった事にしていいです。
もう…いいですから。
お互いの事忘れましょうって。

先生はもう私には会いたくないかもしれないね。
でも、最後だから…。

こんなの本当はやだよ。
後悔するって、辛いって、分かってるよ。
でももう私には、こうするしか分からないの。
先生の気持ちとか、考えてる事…分からないから。

これが私なりの最善。
次に会った時には、ちゃんとお別れしよう。

この時、私はなぜか1番に西野に話してた。

「「私…もう諦めるね。先生から返事こないし!笑」」

本当の自分は泣いてた。
でも笑わなきゃやっていられなかった。

「「え…?返事こないって。」」
「「うん。だからもう好きでいるのやめるよ!」」

嘘…。
そんなの無理だよ。

「「…できるのかよ。諦めれるの?好きなんだろ?本当は…辛いんだろ?」」

一瞬息が詰まった。

「「っ…んなわけ…。…う…ふぇ。」」

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