僕等の軌跡

「「俺、先生に聞いてくるから。だから…もう少し待ってみてくれないか?」」

私がやっと落ち着いたところで、西野が言った。。

「「でも…。」」
「「うん。俺、相原振り向かせるって言った。でも今は相原と…笑ってたい。相原が幸せになれるなら、応援したいと思うから。」」

私の事絶対振り向かせるからって言った…でもこんなにも思って、応援してくれてる。
…待ってみたい。
知りたい…。

結局のところ先生は…。
まだ私からの手紙を、ちゃんと読めてなかったんだって。
私からの手紙をすごく大切な物だって思ってくれてて、ゆっくり読みたいけど…今忙しいし、急いで考えた適当な返事はしたくないからって。
3日後、カフェで話す事になった。

嬉しさと安心からか、何かの糸が切れたみたいに私は涙がとまらなかった。
でも今日の涙は悲しい涙じゃない。
暖かくて…とても幸せな涙。

6日、少し緊張したまま先生に会いに行った。
19時にあのカフェで。

「お、レモン付いてる!」
「ですね!え、あ…このシロップって私の?先生の?」
「え…どっちのだろ…。笑」

なんでもない話。
でも急に真剣になった先生。

「なんでここに来たか分かるよな?何にもないのにこんなとこ連れこまないし…。」

こくっと頷く。

「…で、どっから聞きたい?」

先生の目は真剣で、私は思わず目をそらした。

「え、どっからって…どっからでも…。」

何?そんなに話す事あるの?
すると先生は財布を取り出して…。

「じゃあまず、俺が何者かから言う。」

と、先生は財布を取り出し何かを探しだした。

え…?何者…。
スパイ?お尋ね者?宇宙人?
一体何なのっ!?

私の前にだされたのは、2枚のカード。
1枚は免許証で、もう1枚はある大学の学生証。

「分かった?俺、ここの学生。まぁワケあって1年休学してるから、今年1年いったら終わりだけど。」

びっくりした…。
まぁ、なんとなくは思ってたけどね。
先生大丈夫かなって…。
でも宇宙人とかじゃなくて良かったぁ。

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