僕等の軌跡

「「…先生、ごめんなさい。私、約束破るような事しちゃいました。手首…切っちゃいました。」」

かなりためらったし迷った。
こんな私の事知って、先生にどう思われるか怖かったから。
でももう頼らずにはいられなかった。

「「傷は大丈夫?痛かったろ。辛かったろ。…大丈夫。分かってるから。言いたい事今全部言ってみな?」」

先生はやっぱり魔法使いなの?
先生の言葉はまるで魔法みたい。

「「先生…私、怖いです。自分が分からないんです。」」

死にたくてやったんじゃないはずなの。
ただ…寂しかったのかな。
同情なんかじゃなく、本気で私とぶつかってくれる人はいるのかなって…。
誰かに真剣に"私"を見てほしかったんだと思う。
でも私馬鹿だ。
こんなの違うのにね。
感情に流されてひどく取り乱した。

「「よく言ってくれた。言いにくかっただろ?ありがとう。でも、正直言うと僕傷つきました。もっと頼ってくれていいのに。でも、1人で頑張ろうとしたんだよな?よく頑張った。傷、痛むだろー…。それは君がやったんだ。厳しい事いうけど、それを感じてもうしないって思うんだ。わかった?」」

怒らなかった。飽きれなかった。
ごめんなさい…先生。
私のこんな馬鹿な行動1つで、先生までも傷つけたね。
なんでもっと早く気づけなかったのかな?
私と向き合ってくれてる人…こんなにも近くにいたのに。

「「先生…。引いてないですか?」」

恐る恐る聞いてみた。

「「え?引いてないけど。だって…いや、うん。」」
「「どうしたんですか…?」」
「「明日、時間ある?返事…。」」

迷った。
それは突然の出来事で、今までは早く知りたい思いて一杯だったのに。
急に怖くなった。
でも逃げたって始まらない。
今日の事も含め、私は明日、先生と会う事になった。

告白してから約3ヶ月がたつ。
この3ヶ月色々あったね。

今日で終わりなのかな…。
それとも始まりなのかな。
先生…どっち?

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