僕等の軌跡

「僕、ずっとずっと考えてました。本当は告白されてすぐ付き合っても良かった。相原さんは"いい"って言ってくれたけど、やっぱ相原さんには俺よりも沢山の未来がある。色んな事経験して、色んな人と出会って、色んな物見て、聞いて…。俺がいる事で、それを奪ってしまうんじゃないかって思った。それに自信がなかった。付き合うって、分からないし。試験もあるし。」

先生、そんなに考えてくれていたんだね。

「でも、この3ヶ月間、相原さんを改めて見て…気持ちはどんどん変わった。もちろんいい方にね。色々考えた。でも、それでも相原さんが僕を選んでくれるなら…。」

すーっと深呼吸をした後、背筋をピンと伸ばし、私を見て先生はこう言った。


「…僕と付き合ってもらえますか?」


頭の中がパニックになった。
私…何?夢見てるの?
そう思った。
だけど"ドキドキ"なんかじゃ例えきれないほど、胸がドキドキしてる。


「はい…。」


この言葉以外にでなかった。


「「ぷっ。ははは!恥ずかしいーっ!!」」

私と先生は顔を見合わせて笑った。
先生の顔は真っ赤だった。
きっと私の顔も真っ赤だった。

「…先生こそ、私でいいんですか?だって私…。」

だって私、おかしいよ。

「分かってないなぁ、もう。支えたい。全部含めて。これ以上相原さんが傷つくの見たくないし…僕で力になれるなら。確かによくないな。自分傷つけるの。見てみ?その痛々しい傷跡。」
「…ひいてないんですか?」
「うん、ひいてない。さっきの言葉、ちゃんと聞いてた?笑」

なんでそんな優しいんだよー…。
先生の馬鹿ぁ。
いや!!馬鹿じゃないっ!
先生は…賢いの。
でも、でもね…。

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