僕等の軌跡
「明日…入試頑張ってな。」
ポンッと軽く私の肩を叩いた先生の手は、気のせいかもしれないけどすごく温かかった。
「ドーンと…?笑」
「うん。ドーンと。」
先生から私への応援メッセージ。
"頑張った自分は裏切らない。ドーンと自信をもっていってらっしゃい!!"
中川先生…私自信持って頑張ってくる。
だから待っていて下さい。
今まで応援してきてくれた人達に…そして何より先生に…1番のお礼ができるように。
<キーンコーンカーンコーン>
ベルの合図で皆一斉に問題用紙っ解答用紙を表むける。
不安と緊張で頭が真っ白になる。
今日のこの試験で…結果が決まる。
「うー…。」
試験が終わるとそのまま塾に行き、沢山先生に報告に。
「ばぁか。たく、この俺の授業受けてて"英語すら駄目でした"とか…。」
「だって、赤本よりもすごく難しくて…。」
「まぁ本命の公立おとすなよ。これはあくまで滑り止めだからな!」
っていったって私立落ちてたら、ショックは大きいんじゃ…。
結果は4日後、郵送で知らされる。
「お疲れ様でーす。」
声のする方を見ると、そこには授業を終えた中川先生がいた。
ぱっと目が合った。
「相原さん、お疲れ様。」
どうだった?と聞く先生に私は…。
「先生…私…。ちゃんと自信持って行ったけど、でも…。」
中川先生を目の前にした途端、一気に緊張が解けてなんだか泣きそうになった。
「またまたぁ…。でもさ、もう終わった事なんだし気にしても仕方なくない?後は結果待つだけだって。」
確かにもう何もできる事はないけど…でも私、本当に何も出来なかったんだよ?
あんなにやった英語も中川先生が教えてくれた理科も数学も…。