僕等の軌跡

第3の選択肢。
それはこの世から消えてしまうということ。

「絶対に誰かが悲しみます。僕も悲しみます。この世に死んで悲しまれない人なんてきっといないです。」

中川先生…うん。頑張るよ私。
できる限り、第1と第2の選択肢で止まるようにするから…。
だけとごめんなさい。
"はい"とは言い切れません。


「僕はいいんだけどなぁ。このままカラオケで1日過ごしたり、家によんでも。」

だけどそれが駄目な事くらい、私も中川先生もよく分かっていた。
塾の先生と生徒が、個人的な関係をもっちゃいけない。
塾の規則だけじゃない…。
未成年と成人で…法律だってあるから。

そう…私はまだたったの14歳で…一体何ができる?
電車賃が大人になったって、中学生の制服着て少し大人な気分になったって…まだ子供なんだ。
急に思っていたよりも、壁が大きくなった気がした。
そして私は…気づいた。
中川先生に少しずつ惹かれていってる事。

私…中川先生の事好きになっちゃったみたいです。
沢山先生の代わり?
ただの憧れだとかお気に入り?
ううん…違う。
そんなのじゃないんです。

私"中川先生"の事も"中川絢哉"の事もまだまだ知らないかもしれない。
でも好きなの。
こんなの漫画やドラマの中でだけの話だと思ってた。
生徒が先生を好きになる。
いわゆる禁断の恋。

知ってるよ…。
いけない事だっていわれてる事。
でもどうしてですか?
そんなにいけない事なのですか?
そんなの誰が決めたのですか?
生徒が先生を好きになるのはおかしい事ですか?
一人の女と男になっちゃいけないんですか?


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