チェックメイト
「大・・・・丈夫??」

「だいじょーぶっ・・・・・ててっ」

「血ぃ・・・・出てる・・・」

救急箱・・・救急箱っ・・・・と焦っている私に

彼は優しく ありがとう と呟いた。

聞こえない振りをした。

だってそんなに気持ちを込めて言われたのは

初めてだったから。

正面向くとなきそうだった。

「これで・・・おっけ」

「ん」

「え・・・な・・・・なんでっ」

窓を見た私は絶句した。

驚いた。

窓の外ににこやかに手を振る 鍵 の姿。

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