チェックメイト
人生で初めてだった。

「べ・・・別にキライだったら断ってくれてもいいから」

なんでそんな顔をするの?

心の中でつぶやいた。

「・・・・・いいよ。」

最初に出た言葉がこれだった。

どれだけ鬱陶しくても、

気にかけてくれたことに違いない。

そう人を信じてみた。

安田を見てみるとパァっと顔が明るくなると

よかったぁ・・・・と小声でつぶやき

友達のもとへ走っていった。

「あーさっ!」

「ひぃっ!」

「ひぃっってなによー!友達に対して失礼じゃない!?」

「ご・・・ごめん・・・・」

心臓が止まるかと思った。

肩に手が触れた瞬間、

凍え死ぬかと思った。

それほど冷たくて優しさがない手だった。
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