それでも君を








起こしに来てくれたトシくんの後ろについて部屋から出た。





リビングの方から

すごくいい匂いがする…





ふと、トシくんの背中を見た。






毎朝毎朝……ありがとう。




トシくんは無愛想で無口で
顔もムスッとしてるけど
本当は真面目で優しい人なんだ。





ガチャッ





リビングに入ると





「うわー、やびゃーい!」



「まじ何語なの、それ。」






テーブルには、



こんがり焼けたトーストと
ベーコンと目玉焼き。


おまけにサラダまで。





「トシくん、あたしのお嫁さんになってー!愛してるー!」




抱きつこうとしたらさらっと避けられて、転けそうになった



…けど、トシくんが腕で支えてくれた。





「バカ言わずにさっさと食え。」



「ういっす、いただきまーす」



「相変わらず朝から騒がしい…」





二人でテーブルに座って

手を合わせてから食べる。






こんな毎日が、凄く儚くて

凄く凄く幸せだったりする。








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