純愛を愛する彼女を持つなら
危機感を全く感じず、机からバッグを下ろして、そこに頬杖をついた。
何かしなきゃいけないのに、することは探せば探すほどあるはずなのに、全て灰色にくすんでいて見分けがつかない。
何もする気が起きない。
「あ、あの」
遠くから声が聞こえた。
いや、さほど遠くからではない。
端っこの席には女子が居ず、後ろのロッカーで教科書を持ったまま俺に話しかけた。
「はい」
俺は頬杖をやめ、顔を上げる。