純愛を愛する彼女を持つなら
「えっと…文化祭で…」
「ああ、バンド?見てくれたんだ」
彼女はうなずく。
「カッコ良かった」
なんだろうか、今の彼女の言葉がするりと耳に入っていく。
文化祭で俺は即席バンドでギターヴォーカルをした。
あまり目立たない俺が公共の場で歌うのはとっても緊張したが、これからバンドをしていく中で自分自身の場数を踏んでおきたかった。
演奏が終わってから女子に「カッコ良かったよ」と声をかけてくれるようになった。
そして、彼女もその一人。
文化祭から2ヵ月も経った今、文化祭の感想を述べられるとは…。