純愛を愛する彼女を持つなら

「辰郎、どんどん上手くなっていくね」

俺の下にいるヴォーカルは気持ちよさそうに喘ぐ。

こいつは誰だ?美咲じゃない。

女だ。

女。

メス。

―キモチワルイ。

教室で吉田は赤面する。

俺はどうしちまったんだろう。

何カ月か前までは俺も、美咲とキスするだけで緊張して喋れなかったのに。

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