純愛を愛する彼女を持つなら



帰り道。

景色は暗かった。

それしか言えない。

周りの音は雑音ばかりでたまに車のブレーキをする大きな音が聞こえたが、耳にはあまり届かなかった。

「私、全くセックスしてなかったから下手くそになったかも」

彼女は微笑む。

俺も「そんなことないよ」と言った。

そんなことない…。

そんなこと…。

無性に泣きたくなった。

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