EGOISTE
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リビングのローテーブルで、コーヒーを飲みながら俺は並んで座っている歌南と水月を見比べた。
こうやって見ると性格は正反対なのに、顔の造りだけは姉弟やっぱり似てる。
目の形とか、鼻筋とか。
何度もキスした肉感的な唇だけが水月と違う。
「でも水月にこんなに可愛い彼女がいるなんて知らなかったわぁ」
歌南がにこにこ笑いながら、俺の隣に座っている鬼頭を見た。
「姉さん」水月がはらはらした面持ちで歌南を見る。
「だって水月ってこっちが心配になるぐらい女の影がなかったから。あたしてっきりゲイだと思ってたのよ」
水月が飲んでたアイスコーヒーを吹き出しそうになった。
俺は乾いた笑いを浮かべて、視線を泳がせた。
あながちあんたの勘は外れちゃいないぜ。