EGOISTE
水月をマンションに送り届けると、俺と鬼頭は俺のマンションに戻った。
何故か楠もくっついてきている。
それでもって、何故かイワシの南蛮漬けを一緒に食ってる。
「おいし~♪雅ってホント料理上手だよね」
楠は上機嫌。
まぁ旨いこたぁ旨いけど。
なんっでこいつまでここにいるんだよ!
「先生、ごはんが終わったら乃亜を家まで送ってあげてね」
「へーへー分かってます」
その為に酒も飲まず、大人しく飯食ってるわけだ。
俺はすっかり鬼頭のパシリだ。
こんな女子高生にこき遣われるなんて、俺じゃねぇ。
―――
「ごちそう様でした~」
そう言ってぺこりと頭を下げ、楠は帰り支度をしていた。
時間は夜の9時。
まぁ帰すのにもちょうどいい時間だ。
「じゃ、行って来るから。鍵かけとけよ」
俺は鬼頭に念押したが、
「あたしも行く」
と鬼頭もくっついてきた。
どこまでも仲良し姉妹なんて思ってたけど、
「先生と乃亜を密室に二人きりにしたら、乃亜が危険」なんて言いやがった。
こいつわ!
と言うわけで何故か三人で楠の家に向かう羽目になったわけだ。